「諸式覚」を読む会

今回はまだブログで取り上げていなかった講座、「諸式覚」を読む会の様子を紹介します。

9月15日(木)の会に飛び入りでお邪魔し、見学させてもらいました。
参加者は登録者5、6人と学芸員1人のこじんまりした会で、それぞれがその日の分を予習してきて解釈を検討しあう、講座というよりは勉強会といった感じでした。
古文書が好きな人にはとても楽しいと思います。

テキストに使っているのは「諸式覚」という、儀式の段取りなどをメモした古文書です。
小さな折り本で200点ほどあり、今年度は正月の儀式を読み進めているそうです。

会は、その日の担当者が割り当て部分の読み下しと現代語訳を発表することから始まります。
それをもとに1文ずつ確認しながら、予習の際分かりづらかった部分や疑問に思ったことなど、みんなで意見を言い合ったり学芸員に説明を求めたりして読み解いていきます。

この会が古文書講座と違うのは、文字を読むだけでなく自分たちで意味をとる点にあります。
古文書を解読することの難しさを改めて感じたのですが、語句の解釈や文章の切れ目をどう判断するかなどほんの少しのことで随分違う状況ができる場合があり、文字が読めただけでは内容が分かったことにはならなかったりします。

例えば、裏書院で藩主に挨拶をした人たちについてのこんな一文がありました。
Photo_2

一、御裏書院ニおゐて御近習之面々御相伴格始御医師御茶道頭御礼被為請例之通役掛り迄相詰ル

古文書が読めない私だと、まず、主語が藩主だと気付きません。そして近習の面々と御相伴格と御医師と御茶道頭から挨拶を受けたと考えてしまいますが、本当は御近習の面々=御相伴格と御医師と御茶道頭なのだそうです。現代のように文に句読点がないし、近習がどういう人を指すか知らないと、分かりにくいですね。

そういう場合に学芸員が藩士の身分や格など専門的な説明を足したりします。

みなさんなんとか自分で解読しようと、高知城二の丸の間取り図で裏書院の位置を確かめたり、「例之通・・・相詰ル」場所から何か分からないか、など予習の時からあれこれ想像をふくらませ江戸時代に入り込んでいました。
ちなみに、今回の発表者は割り当て部分が前回と今回の2回にまたがってしまったのですが、その間に考えが変わったとのことで訂正したプリントを持って来ていて、熱心さが伝わってきました。

ところで去年、この会から資料集が発行されました。数年かけて解読した『増上寺火の番関係資料』です。日頃の成果が形になるのもこの講座の醍醐味かもしれません。

この会の詳細はこちら
資料集としても古文書の学習にも役立つ『増上寺火の番関係資料』に興味がある方はグッズのページをご覧ください。→こちら

(投稿者:I)

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