資料集を作る会

7月7日(木)、今年度3回目の「資料集を作る会」が行われました。

このタイトルからは、どんな講座なのかすぐには分からないと思います。

簡単に説明すると、参加者の皆さんと当館学芸員とが一緒に古文書を読み解き、その集大成として資料集の発刊を目指すというものです。つまり講座の「最終目標」がタイトルになっています。

 

この講座で読み進めている古文書は「迫田鉄五郎の書状」。

これは、平成15年に迫田家より高知県が寄贈を受け、当館所蔵となった歴史資料約300点の中に含まれています。

迫田家は薩摩藩士の家柄で、鉄五郎は迫田家の長男として幕末の鹿児島城下に生まれました。

軍人となった鉄五郎は戊辰戦争に、そして西南戦争では新政府軍に従軍し28歳の若さで戦死してしまいますが、故郷を離れてから家族にたくさんの手紙を書き送っています。

身内(特に父親)に宛てた手紙なので、当時の世相について鉄五郎が感じたことが率直にしたためられており、明治初期の様子を知るにはとても興味深い資料です。

 

この講座は学芸員が講義をするものではなく、参加者も学芸員も同じように担当を決めて、割り振られた部分は前もって自分で調べ、当日は順番に声を出して古文書を読んでいきます。

中級以上の古文書読解力が必要とされ、今年度は5名の方が参加しています。

当日読んだ書状はこのようなものでしたが↓
Tetsu001 (原本の写真を印刷したものに、分かりやすいように行数を振ってあります。)

さすがは実力者の皆さん、時々「ここが分からない」という部分はありながらも、ほとんどすらすらと読みこなしていました。

001

皆さんの手元には資料のプリントに加え、辞典や電子辞書、ルーペなども。

判読しづらい文字をよく見て、丹念に辞書を引き、前後の意味を考えながらどう読むのが正しいかを考えている様子が伝わってきました。

「この字は『渥』ですか?」

「『涯』じゃないでしょうか?」

「『貸家』と書いて『カリイヘ』とふりがなを振っていますね」

「ということは『借家』の書き間違いでしょうか」

この『立歯』は『立派』の当て字でしょうかね?」

などなど、他の人が困っているときに助け船を出したり、お互いに論議をしたり、和気藹々とした雰囲気でした。

 

8月はお休みということで、新たな割り当てを決め、参加者の皆さんは「夏休みの宿題が出た」と笑いつつ、この日の会はお開きとなりました。

9月にはきっと素晴らしい仕上がりの宿題が集まることでしょう!

 

*「資料集を作る会」詳細はこちら

 

(投稿者:O)



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