ふすま下張り解体講座

日本家屋で部屋の間仕切りとして使われる「ふすま」。
ふすまの中に歴史が隠されているかもしれないと言うと、驚かれる方が多いのではないでしょうか。

ふすまは木製の骨格の上に紙を何層にも貼り重ねて作られますが、そこには日本の気候にあわせた様々な知恵と工夫があります。
同じ紙を同じ貼り方でただ単純に重ねていくのではなく、繊維の質や強度の違う紙を組み合わせ、また層によって骨縛り・胴張り・蓑掛け・蓑縛り・浮けなどと呼ばれる異なった貼り方をしています。
こうしてふすまは断熱性や調湿性、吸音性などを生み出し、日本の家の環境を整えてきました。

さて、このふすまに隠されているかもしれない歴史とは何でしょうか。
紙が貴重だった時代、ふすまの下張りの紙として当時の反故紙(ほごし)が使われました。
役場文書や村方文書、庄屋文書、ほかにも個人の手紙や日記など、古いふすまからは江戸時代後期の文書が見つかることもあります。
このように、地域や家の歴史を語る大切な情報を秘めている可能性があり、ふすまは歴史資料としての側面を持っているのです。

この貴重な歴史資料を傷めず、資料整理のルールに則って取り出す技術を伝えるために、当館では「ふすま下張り解体講座」を毎月第4木曜日に開催しています。
一年間をかけて実習形式で学ぶために少人数の登録制とし、今年度の参加者の方は4名。
6月23日は2回目の講座ですが、すでに実際にふすまを解体する作業が始まっていました。

これは解体前の状態。撮影、採寸、そして表面の状態等を記録に残してから表張りの紙をはがします。はがしにくければ竹ヘラを使用。

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こうして順を追って紙の層をはがしていくのですが、途中もすべて記録をとり、はがした紙には整理番号をつけます。
担当学芸員によると、資料は元々の状態や資料同士の関連性から読み取れることもあるので、むやみにはがしたり良いところだけつまみ食いをしてはいけないとのこと。
そうして根気よく作業を続け、ついに文字がびっしりと書かれた層に到達!

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横にある小さな紙片には整理番号が書いてありますが、この層は126枚もの紙から成っていたので、この小さなメモも126枚作って一枚一枚貼り付ける作業となりました(!)

集中力と慎重さが要求される作業だと思いますが、参加者の方からは「紙がきれいにはがれると気持ちがいいね」と笑顔も。
4名の内のお1人は以前もこの講座に参加されたことがあり、他の3名の方にとっては良いお手本がいるので、担当学芸員が時々アドバイスをするだけで作業がどんどん進んでいきました。

今回は比較的はがしやすいふすまだったようですが、糊や紙の状態によって非常にはがしにくいものもあるそうです。

次回はどんなふすまに出会うのか楽しみですね。

*ふすま下張り解体講座についてはこちら

(投稿者:O)

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