寄贈寄託展関連行事 特別講座「三つの歴史 ―家臣・田畠・満州」 

現在開催中の「寄贈寄託展 蔵出し高知の歴史」に関連して、特別講座「三つの歴史 ―家臣・田畠・満州」が開かれました。講師は、館長の渡部淳です。

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今回の展示は、近年当館が収蔵した寄贈・寄託資料から、高知の歴史の新しい側面を紐解こうとするもので、展示資料は江戸時代から昭和戦前まで多岐にわたります。講座のテーマもそれを受けてユニークなものになりました。

第1の歴史「家臣」では、土佐藩の「知行取家臣」――藩から知行地の所有が認められた武士――が村の地域社会に与えた影響が取り上げられました。

具体的には、知行地の村の神々を整理して、地域の人々の精神的な世界に影響を与えた武士の事例などが紹介されました。普通、知行取りは、「地方知行制(じかたちぎょうせい)」などといって「遅れた」ものともされますが、村々への鉄砲の普及などを通じて、幕末土佐藩の軍事力を下支えするなど、歴史的な評価がまだ十分でないことが指摘されました。

第2の「田畠」、土地の売買証文に見られる文言から、当時の人々が持つ土地に関する意識などが分析されました。例えば、郷士の土地は売買できるため、「領知売渡」といった表現がされますが、売買が禁止された「本田」という土地の場合には、「譲渡」や「質入」などの文言が使用されたそうです。

そして三つ目の歴史、「満州」。ここでは「満州」を撮影したアルバムを展示している関係で、オーラル・ヒストリーなど、歴史の体験者の「記憶」を聞き取りなどによって歴史研究に活かす研究動向が取り上げられました。

いずれも普段は聞けない、奥深い「三つの歴史」。講座に参加された方々も大変興味深く耳を傾けていたようです。

(投稿者:K)

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