歴史講座 第1回「紀元節」―神話の時代―

5月3日(土)、土曜講座「歴史講座」の第1回を開催しました。
ゴールデンウィーク後半戦の初日ということで、行楽にお出かけになる方も多いかと思いきや、会場は満席。
席取りのために早めにお越しになる方もいたほどの人気でした。

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今年度の歴史講座は、「唱歌でたどる日本の歴史」を年間テーマとしています。
今回は初回ということで、最初に唱歌の歴史についての解説がありました。

「唱歌」とは戦前の学校で教えられた音楽科目、またはそこで歌われた曲のことをいいます。

辞書で「唱歌」と引くと、「明治5年(1872)に定められた学校教育制度(学制)以降、昭和16年(1941)まで学校の音楽科目で教えられた歌のこと」といった説明がされていますが、実は明治初期の学校教育に音楽の科目は存在しなかったのだとか。
唱歌が必修となったのは西洋音楽が浸透し、日本人による作曲が行われるようになった明治40年(1907)。
それから文部省歌が生まれ、「春が来た」など今でもおなじみの楽曲が歌われるようになりました。

講座では、毎回一曲ずつ歴史的な事件や物語を題材にした唱歌を取り上げ、そこから歴史について考えていきます。

第1回目の曲は「紀元節」
『古事記』や『日本書紀』で初代天皇とされる、神武天皇の歌です。
唱歌が取り上げた題材として最も古い、神話の時代の歌であるだけでなく、明治21年(1888)に洋楽教育の父・伊沢修二が文部大臣の依頼を受けて作曲したという、近代音楽史の面でも初回にふさわしい一曲です。

歴史解説の前に、高知県立高知丸の内高等学校音楽科の生徒さんたちが、実際に「紀元節」を合唱してくれました。

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唱歌をこれまで「音楽」として鑑賞したことはありませんでしたが、ハーモニーを加えた本格的な合唱で聴くと、優雅なメロディーがいっそう引き立ちます。
美しい音楽に、会場の皆さんもすっかり聴き惚れていました。

続いて西洋音楽に雅楽の音階を取り入れた楽曲であることや、この曲が生まれた背景、儀式唱歌として学校で用いられる様子などの解説を聞きました。
歴史解説も、題材となった『日本書記』の内容にとどまらず、学校教科書の内容、明治政府が「紀元節」を2月11日に定めたいきさつなど、多岐にわたる説明となりました。

最後にもう一度歌って講座は終了。
戦前には誰もが歌った曲だけに話題は尽きず、たちまち時間は過ぎていきました。

講座には様々な世代の方が参加していましたので、「懐かしい話」「全く知らない世界」など、それぞれの感じ方があったと思います。
うなずきながら聞く方、小学生がこんな難しいことを習ったの?と驚く方など、反応も様々でした。
とはいえ小学校は誰もが通って勉強を習う所。
ご家族の集まる連休中、何を習った?などと話題にしてみると、世代ごとの違いが見えて面白いかもしれません。

唱歌を手がかりに歴史を読み解く「歴史講座」、次回は7月5日「青葉の笛―源平の争乱―」です。

(投稿者:F)

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