外国人のための日本の文化講座(4) 茶道

11月23日(水・祝日)、当館において高知在住の外国人を対象とした日本の文化体験講座を開催しました。
この講座は、伝統文化を通じて日本の歴史や精神に対する理解を深めていただくことを目的として毎年開催しており、これまで「香道」、「料紙装飾」、「日本刀」を取り上げてきました。
第4回目となる今回は、これまでに要望の多かった「茶道」を取り上げ、その歴史を学び、また実際にお茶席を設けて最終的に自分でもお茶を点てる体験まで行いました。

まずは当館学芸員がミニ講座で、古く中国から日本に伝わった3つのお茶の飲用法(煮出すお茶、淹れるお茶、点てるお茶)を説明し、そして茶道の歴史についての紹介をしました。

001

ミニ講座の後は、いよいよお茶席で茶道の体験です!
ここからは裏千家の先生にバトンタッチ。先生は茶道の世界への導入部分として「茶道には、日本人の基本的な精神性がすべて含まれています。茶道の作法は形だけではなく精神が大切なのであって、それは人をもてなす心、そしていかにスムーズに人と交わるかを、茶道を通して皆さんに学んでいただきたいです。」と語りかけました。日本人としても、礼儀を尽くすことの大切さを改めて認識させられる一言でした。

先生の挨拶の後、まず正座の仕方やお辞儀の作法を実践しました。皆さんはなかなか慣れない正座に苦労しながらも、先生に教わった足の痺れの直し方を何回か実践して何とか姿勢を持ち直していました。

その次に、お茶席に入って一番最初に行う床の間の拝見をしました。

002

茶の湯では、お客様をおもてなしするために季節やその茶会の目的に合った道具が揃えられます。今回は秋らしい掛け軸やお花が床の間に並びました。
実践中は先生から「正座をした時に右手が上にくるのはお客様のしるしです。」とか、「お花には人格がないからお辞儀はしなくてもいいですよ。」等の解説があり、皆さんは興味深げに耳を傾けていました。
お茶の前に頂くお茶菓子もまた、柿の形をモチーフにした秋らしいものでした。

お茶菓子を頂いた後は、社中の方が亭主となってお点前を披露しました。

003

お点前中、その細やかな所作に誰もが釘付け!夢中になってカメラで撮影する方や、「お茶を点てる時に音楽は流さないのですか?」や、「お茶の適温は何℃ぐらいですか?」等の質問をする方もいました。

実際にお茶を頂く際は、先生方より亭主から出されたお茶を自分と隣の人との間に置き「お先に。」とお辞儀をするところから、飲み干した後にお茶碗の正面を戻して地面に置くところまでの一連の作法を、1人ずつ丁寧に指導して下さいました。

004

皆さんは慣れない所作に少し戸惑いながらも、甘いお茶菓子を頂いた後に飲むお茶に深い味わいを感じていたようでした。

そして最後に、いよいよ実際に自分でお点前をする体験です!
まず2組に分かれ、1組が丸い小さなお盆に茶碗・茶筅・茶杓・棗(なつめ)を乗せたセットを使っての簡単なお点前(盆略点前)をし、もう1組がお客様となってそれを頂き、そして2回目にそれぞれ役目を交代するという形で進められました。

005

茶碗に棗の中から茶杓2杯分ほどの抹茶を入れ、お湯を適量入れた後に茶筅で撹拌する際に、お茶の表面がきれいに泡立つように手首を動かさないといけないのですが、皆さんは少しずつコツが分かってきたようで、美味しそうに泡立ったお茶が次々に出来上がっていました。
そして先ほど先生のお点前でお茶を頂いた時と同じく、お茶を出されたお客様役の皆さんはもう一度先生方に教わりながら、また隣同士で教え合いながら、ゆっくり1つ1つの動作を確かめるように頂いていました。

講座終了後に参加者の皆さんから頂いたアンケートでは、「とても楽しかったし、ためになった」、「実際にお茶を点てる体験ができてよかった」、「日本の伝統文化や精神を体験することを通じて、日本の事をもっと理解できるようになると思う」等の感想が寄せられ、大変満足された様子でした。そして何よりも、先生方や参加者の皆さん同士の和気藹々とした雰囲気がとても印象的な講座でした。
参加者の皆さんにはこれを機に、これからも様々な日本の伝統文化について興味を深めていただきたいと願っています。

(投稿者:I)

カテゴリー: 催し物   パーマリンク

コメントは受け付けていません。